10/9 楽園だと思うそれは、実は楽園ではない。
お金をたくさん得て買いたいものを好きなだけ買い、金銭的不安のない人生にしたい
好きな時、好きなことをする時間的自由な人生にしたい、
誰にも媚びず、誰からも指図されず、敬られるような自分勝手に生きれるような
精神的自由な人生にしたい
誰もが羨む美容を得て、異性に困らない人生にしたい
完璧な健康と身体を得て、病気にもならず不老不死を得たい。
豪邸を立て、召使を幾人も雇いゴージャスな人生にしたい。
他・・・・
人間の欲や目標は限りなく、
人はその活動を人生と呼んだりして。
個人での活動はもちろん、団体で目指す政治もそんな何不自由ない世界、環境、
万人が幸せになる国づくりを目指してる。
そこへたどり着ければ、人は、万人は、最低でも自分は幸せになれると信じて。。
1960年~70年の間、アメリカのジョン・カルホーンという研究者が、
マウスを使ってUniverse25という実験をした。
その実験は、ある空間内(たしか3500匹ほど)収容可能な広さのスペースの中に、
マウス数匹いれて、その中では
食料は無制限で飢えることはなく
体調管理もされ、病気の場合はすぐに処置され身体的健康は保証、
天敵もなく脅威はない安全を保障
という、マウスにとっての楽園を用意し住まわせたら、
マウスは一体どうなるのか?その社会はどのようになるのか?
というものだった。
実験名に25という数字がついてる通り、この実験は25回実験され
その全てが同じ結果となった。
最初その空域に解放されたマウスはオス4匹メス4匹計8匹。
最初は落ち着きなく過ごしたが、しばらくして安定し快適に過ごしてるようだった。
その証拠に、繁殖は充実しネズミ算式にマウスはどんどん繁殖し700匹程度になる。
600匹を超えたあたりから、マウスの社会に変化がみられる。
要約すると、
①マウスの中に優劣ができ始め、強者マウスは人の富裕層ごとくスペースを広く巣とし
て使い、一方の弱者マウスは人の貧困層のように狭い空間に窮屈に暮らす社会にな
った。
②ストーカマウスが出現。
③同性愛者のマウス、幼児虐待、強姦マウスが出現。オスはメスに興味を持たなくなっていった。
④育児放棄マウスが出現。幼児を巣から追い出し放置するマウスが出現。
巣から追い出された幼いマウスは厳しい社会に強制的に放り込まれる。
(切ない胸がキュッとなる)乳児死亡率は90%。
⑤特にメスが攻撃的になった。
⑥何にも関心を持たない、引きこもりマウスが出現。
こんな感じだったと思う。
しだいに、マウス出生数と死亡数は逆転し、とくに出生数は減る一方となり。
やがて出生数は0となった。
最終段階ではマウス個体数においてオスの割合は2割。その2割は引きこもり。
そしてマウス社会は一番若いマウスで人間換算80くらいの超高齢化社会だった。
結局、マウスは絶滅した。
特に私的に注目したのは、
まだ繁殖能力がある段階のマウスを、
別の領域を用意しそこに数匹のオスとメスを移動させたところ、
もはや、そこでも繁殖を行わずマウスも社会も元に戻らなかったということ。
狂った個体では、もはや継承という行いは無理だった。
詳細はユーチューブにていくつかあるが、例えばこれ
https://www.youtube.com/watch?v=p-SO_We75t4
このマウスの実験は、まんま人間に当てはまると思う。
人間には理性があるから、思考があるからと言っても、
思考が狂えば、理論は狂い、理性も狂う。
地球のために、地球にとって害である人間は滅亡すべきだ、という人間の考え。
ほんの少し取り違えた思考、理論、理性は良い例じゃなかろうか。
歳の候50、死を近く感じる歳で思う。
争いがあり、殺人があり、恨み憎しみがある完璧とは言えないこの世界を、
それでも、この不完全さを良しと決めて、
足りないものは無限にありながらも、足るものを見て足る世界だと決めつければ、
拘ってまで求める思いは失し、気楽に流れるままに生きていける。
例えこの世が地獄で在ろうとも、
その地獄で気楽に在れるなら、それは地獄でありながら天国と変わらない。
このような寛容というべきか、無関心というべきか、寛大というべきか、
このような心の者と引きこもりの心の者は一見似てはいるものの、
アレが違う。
幸せ、幸せに感じリラックスして過ごせているか、
怖い、不安、臆病に感じ精神的苦痛に過ごしているか。
一方は引きこもりのように見える開拓者であり、
一方は引きこもりに見える引きこもりである。